2014年05月29日

「大切なもの」を失ったことはありますか?

カテゴリ:行事報告

あなたにとって、「大切なもの」は何ですか?
また、それを失う瞬間を想像したことはありますか?

 昨日、一昨日(5月27、28日)の2日間、「臨床宗教師研修」と題して、近隣の若手の取次者の方々と共に研修を企画・実施し、参加させていただきました。

 金光教気仙沼教会の副教会長であり、臨床宗教師の資格をお持ちの奥原幹雄先生を講師にお迎えし、総勢20名で講義を聞き、「死の体験」をし、ロールプレイを行う内容でした。

 臨床宗教師は、東日本大震災を機に、宗派・教派を超えて宗教者が連携して、被災された方々の心のケアを行う為に、東北大学内に新設された講座です。
(詳しくは・・・http://www.sal.tohoku.ac.jp/p-religion/kenshu_panph.pdf

 奥原先生は、昨年その講座を受講され、実際に被災地での支援に取り組んでおられます。今回は、臨床宗教師の概要についてお伺いしながら、死の疑似体験をし、被災者や死の不安を抱える患者さんの心に寄り添う訓練を行いました。

 自分が大切にしているものや人を8つ、紙に書き出し、目を閉じて、或るストーリーを聞いていくうちに、死を迎える患者さんの立場になり、時間が経つにつれて一つずつ、書き出した大切なもの・人を順に捨てていき、最後には自らが死を迎える、というシミュレーションを行います。

 8つとも、どれも自分にとっては大切なもの、人であって、それを捨て去る覚悟と、優先順位をつける苦しみ、そして最後には自分自身の死を受け入れる感覚を味わいます。

 また、ロールプレイでは、臨床宗教師役、相談者役、観察者に分かれて、相談者役が台本を元に、「夜中に“助けてくれ!”という声が聞こえてきて、恐いんです・・・」といった被災された方の切実な悩みや、死が近づく患者さんのからの相談を打ち明け、臨床宗教師役はそれをじっくりお聴きして、心を寄せて相談者の悩みや感情を感じ取り、求められるケアを実習します。

 この研修を通じて、私自身も、大切にしているものや人を失う恐さを味わい、同時に、今生きることができていること、大切なものや人が今存在する有難さを「こころ」から感じることができました。

 また、相談を受け付ける際に、相手の感情を自分のこととして感じ取り、心に寄り添う訓練をすることができました。

 ある参加者が、「死の体験は恐かったし、大切な人を捨てる作業は辛かったけど、”信心”しているから、比較的平常心を保てた。金光教の”信心”を頂いていることがありがたい」とおっしゃっていたことに、私も共感しました。
 臨床宗教師研修②

 写真は、「死の体験」シミュレーションで、8つの「大切なもの」を書き出す際の条件です。ご興味がおありの方は、いつでもお問い合わせください。

 きょうもお越しいただきありがとうございました。 岡山・倉敷で悩み相談、願い事祈願は「こころの宮」まで。