2014年06月20日

置いて帰りましょう。

カテゴリ:人間関係取次者の目線子育て・教育・学業

お結界に座らせていただくと、参拝者の「心の鬼」が見えてきます。

 先日、ある男性の方から、奥様と息子さんとの間で起こったトラブルについて相談のお届けがありました。

 その日、奥様の運転する車に息子さんが乗って移動中に、車内で口論になり、腹を立てた奥様が、息子さんを途中で下車させ、放置して帰ってきてしまったのです。

 幸い、ご主人が息子さんのもとに駆けつけ、特に怪我や過ちは無かったのですが、それ以来、奥様と息子さんがお互いに立腹したままで、会話が無くなってしまったそうです。

 ご主人としては、息子さんが無事に戻ってこれたので、「大難を小難におまつり変えくださり、ありがとうございます」とお礼のお届けをされたのですが、続けて「妻が取った行動は、親としてはしてはいけないこと。改まってくれますように。」ともお届けされました。

 ご事情を伺っていますと、奥様にも、息子さんにもそれぞれ非があるようですが、たしかにご主人のおっしゃるとおり、奥様が取られた行動は、親としてあるまじき姿だったと感じました。

 
 続けて、ご主人が「しかし、途中で降ろしてよかったかもしれません。そこでいったんお互いに冷静になれたはずで、それ以上一緒にいたら、もっと大変なことになっていたかもしれません。神さまが良いようにしてくださったのだと思います。」とおっしゃいました。

 私のそのとおりだと思い、「そうですね。それ以上一緒にいて、たとえば息子さんが奥様に殴りかかったりでもしたら、取り返しのつかないことになっていました。親子で傷付けあったり、殺しあったりすることもあります。そうならずに済み、ありがたいことです。」と申しました。

 一方で、ご主人としては、奥様が取られた行動に対して、許せない思いが残っており、冷静に話ができる心境ではない様子です。奥様の改心を強い口調で願ってお届けされました。

 私はお結界に座らせていただきながら、「このままではいけない」と感じました。

 そこで、ご主人に「奥様の心は“鬼の心”に支配されています。今のままでは、息子さんとの間で、同じことを繰り返してしまいます。ですから、ご主人が奥様の抱えておられる思いを、しっかり聴かせていただいて、その“鬼の心”を引き取ってほしいのです。」と申しました。

 そうしますと、ご主人の表情がこわばって、奥様の行動への批判をされました。

 やはり、「このままではいけない」と思い、このように申しました。

 「奥様の“鬼の心”に引き込まれて、ご自身も“鬼の心”になってはいませんか?
奥様の行動は間違っているかもしれません。

 しかし、たとえご主人が正しくても、ご主人が“鬼の心”のままでは、本末転倒です。
 ですから、今ここに“鬼の心”は置いて帰りましょう。

 そして、お家では奥様のお話を聴かせていただき、たとえ許せないことを言われても、それを“金光さま”と懸命に祈って、心の鬼を引き取っていただきましょう。

 そうすれば、奥様の心にも神様の心がすうっと入ってて、和賀心になりますよ。」

 その後、奥様と息子さんとの間では会話が回復したそうです。

 このように、お結界に座らせていただくと、参拝者の「心の鬼」に気付くことができ、当事者同士では“鬼の心”に支配され、問題が解決しないどころか、さらに大きくなる可能性があるところを、お結界で引き取らせていただいて、鬼がいなくなったところに神様の心が入ってきて、和賀心になれるのです。

 取次者としては、そこに重点を置いてお話を伺い、神様の心をお伝え申し上げております。
 
 
紫陽花広前
 写真は、教会の広前にお供えしている紫陽花です。いろんな種類がありますね。
お花を眺めると、心の鬼もどこかへ行ってしまう気がします♪

 きょうもお越しいただきありがとうございました。
岡山・倉敷で悩み相談、願い事祈願は「こころの宮」まで。
 


 

 


2014年06月12日

良い面が見えてくる

カテゴリ:人間関係取次者の目線子育て・教育・学業

「お結界」に座らせていただくと、取次者が受け付けた悩み事の中にも、良い面が見えてきます。

 昨日、或るお父さんと息子さんの親子が参拝され、不登校になった悩みについて相談がありました。

 この春、小学校を卒業して中学校に入学したのですが、友だちとの関係がこじれてしまい、学校に居場所がなくなってしまったのです。

 (政府でも、“中一ギャップ”という問題が、議論されているようですね。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140611/k10015150161000.html 
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1103W_R10C14A6EA2000/ )
 
 
 

 ご本人は照れくさそうに、眠たそうに何度も目をこすっていて、隣に座っているお父さんが代わりに事情を語ってくれました。

 部活の同級生からいじめにあって、お腹を殴られ、吐いてしばらく痛かったことと、また、運動会で二人三脚をした相手から、「おめえのせいで、駄目じゃった」と、直前まで仲良くしていたのに、結果が出ないと急変して、罵倒され突き放されたショックなどが重なって、学校には行きたくなくなった、とのことでした。

 小学校のときも、部活などで勝敗に関わって同様のことはあったのですが、中学校に入ると、周りの友だちの様子が今までと変わり、恐くなってしまったようです。

 これで何日も休んでおり、お父さんとしては心配で、教会に連れてきたのです。なんとか学校に行かせたい、という思いが伝わってきました。

 息子さんの方は、モジモジしている様子でしたが、お父さんの語る内容に、ちょこちょこ訂正を入れながら、ツッコミを入れたりして、少しずつ笑顔も出てきました。

 私は、お結界に座らせていただいて、しばらくお二人の話を聴かせていただき、ジイッとご祈念させていただいておりましたら、その合間に父がその男の子を呼んで、「拳法を教えてあげよう!」と幾つかの護身術を伝授しました。

 そして、落ち着いたところで、私は或ることを感じたので、それを息子さんにお伝えしました。(以下、そのやり取り。表現は簡略。)

 「でも、○○君は、お友だちをいじめたり、殴ったりはしてないんじゃろう?」
 「うん。それはせん。」(男の子)
 
 「そう。それでええんよ。それで安心したわ。これからもそうしてね。」
 
 「うん。」(男の子)
 「それから、そのいじめる子や、人のせいにした子のことが不憫に思うんよ。
 
 
 
  殴ってくるのは拳法で身を守って、悪く言うのは言わせておきゃいいんよ。
  その子たちは、そうでもしないとスッキリしない状況に追い込まれている。
  だから、その子たちの心が助かるように、毎日ご祈念しようね。」
 
 
 「・・・わかるけど、なかなか出来んわ・・・」(男の子)

 つまり、この男の子は優しい心を持っていて、他の子をいじめたりすることは無いわけで、そのこと自体が誇れることであり、尊いことだと感じたので、その良いところを損なうことは無いようにしてほしい、また、いじめたり悪口を言ってくる相手の心も助かってほしいので、そう祈るようお願いしたのです。
 

 こうしたやり取りを続けていると、表情が笑顔になったり、曇ったりを繰り返し、最後には、「学校に行かないときは、教会に来る。そして、心の修行をする。拳法も。」と約束してくれました。

 このように、お結界では、取次者は悩み相談や願い事の祈願を受け付けておりますが、同時に「神さまはどのようにご覧になっているか?」という目線に立ち、それまでは当事者では見えなかった良い面が見えてきます。

 取次者の目線、見えてくるもの、今後ともご紹介してまいりたいと存じます。
 トンボ
 金光教本部の境内で見つけたトンボです。中学生の頃も追いかけてました(笑) 
トンボの眼鏡は水色メガネ、その目線でどんな世界が見えるのでしょう・・・

 きょうもお越しいただきありがとうございました。
岡山・倉敷で悩み相談、願い事祈願は「こころの宮」まで。












2014年06月11日

履物をそろえると・・・

カテゴリ:子育て・教育・学業心磨き

履物をそろえることで、心が整って、その心は次の行動を整えてくれるようです。

 一昨日、車のお掃除をしていましたら、近所の子どもが駆け寄ってきて、「ねえ、先生、お祈りしてもいい?」「した方がいいかなあ?」と無邪気に尋ねてきました。

 「うん、お祈りしていいよ。したらええがあ」と答えると、そそくさと玄関に入って、教会に上がりました。

 ちょうど父がお結界に座っていて、玄関まで出てきて、”あること”を確かめました。

 それは、“靴がそろえられているかどうか”です。

 いつも子どもたちは、バタバタと教会に駆け込んできて、気ままに楽器で遊んだり、マイクで面白おかしいことを話したり、友だちの持ち物を隠したり、まあ、こちらの言うことは全然聞かず、好き勝手にはしゃぎます。

 そんな時、父が必ず注意することがあります。

 「先ず履物をそろえなさい!」

 このことには徹底してこだわって厳しく注意します。履物をそろえないと、遊ばせてあげないのです。

 この時も、履物がそろっていなかったので、その男の子は「あ、忘れてた」と、素直に靴をそろえなおし、教会にもう一度上がって、お祈りを始めました。

 そして、子どもたちとのお決まりがもう一つあります。それは、次のようなお祈りを一緒にすることです。

 病気をしませんように。
 交通事故にあいませんように。
 先生やお父さんお母さんの言うことがよく聞けますように。
 お勉強がよくできますように。
 みんな仲良く遊べますように。
 いじめたりいじめられたりしませんように。
 お役に立つ人にならせていただけますように。
 金光さま、お願いします。

 続いて、ご霊前ではご先祖様にお礼を申し上げ、
 「万事おかげになる(初代の遺言)」と4回唱和します。

 
 その後、子どもたちのお目当てである「お水(サーバーを設置しています)」を飲むか、「飴ちゃん」を頂くか、父か私と「拳法(少林寺拳法)」の練習をします。

 
 こういうことを繰り返していくうちに、最初はお目当ての為に、仕方なく靴をそろえたり、お祈りをしていた子どもが、「お祈りをしてもいい?」と言うようになってきました。

 何かしら悩んでいたり、感じていることがあって、お祈りをすることで、心の中を整理したり、落ち着かせたりして、また友だちと遊びに出かけているのでしょうか。

 ふと思い出したのですが、会社員のとき、あるお客さまから、「商談相手の靴を見ると、その方が信頼できるかどうか、わかりますよ」と教えていただきました。

 靴がきれいに磨かれている方は、仕事もきちんとこなすことができ、取引先として信用できる、という一種のパラメーターになるのだそうです。

 たしかに、私自身、仕事に追われて自分を見失っていた時は、靴のことには気が回らず、仕事も人間関係も、すべてが悪循環に陥っていました。
 

 履物をそろえることは、一見どうでもよいこと、後回しにしてもよいことのように思えますが、そこを大切にすることで、心が整い、ゆとりができ、次の行動を整えてくれる。

 それは「お礼を申す」という大事なことを見失わない生活になり、物事の順番が狂わず、人間関係をも円滑にする元になるのでしょう。

 みなさんは、どのように心を整えていますか?
こども参拝
 写真は、その時の子どもさんがお祈りをしている様子です。けなげで、素直で可愛くてしかたないです。父にならって、履物をそろえる指導を徹底したいと思います。

 きょうもお越しいただきありがとうございました。
岡山・倉敷で悩み相談、願い事祈願は「こころの宮」まで。